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第9話 バルセロスの雄鶏

monsoon photo

2008年9月の週末+月曜日を使ってポルトガルを旅しました。

欧米人のような豪快な連休を取得することは不可能な僕はこうやってLong weekendとよばれる週末+αの旅をこつこつと続けています。

ポルトガルを選んだ最大の目的は「Red Bull Air
Race」と呼ばれる飛行機レースを観戦することでした。街の中心を流れる河川上をそれぞれの飛行機が障害物を避けながらそのタイムを競い合うのです。二日間にわたって開催されたこのエアレースは、レースそのものの完成度はもちろん、ポルトという街の雰囲気自体も非の打ち所がないくらいに僕を魅了してくれました。東京でたとえて言うならば、隅田川の吾妻橋から両国橋沿いを無数の観客が埋め尽くし水上すれすれの高度を保った飛行機が高速で駆け抜けていくということを想像してみればよいと思います。もちろん、歴史的な建造物や統一された町並みが作り出すその雰囲気は遠く及びませんが。

このエアレースにしか期待をしておらず、その他の点において無知のままに入国した僕はポルトガルのその他の面において大きく感銘を受けることになりました。旅先でより多くの感動を得たいならば、より少ない情報収集というのがひとつのコツなのかもしれません。もしくは、ポルトガルという国それ自体に非の打ち所の無いほどの魅力があるのかもしれません。

ポルトの町を高みから見下ろすと、オレンジ色に統一された家屋の屋根がとても美しくどこまでも広がっています。大西洋に沈むロカ岬からの夕日は、他のどこで見た夕日よりも印象深く優美にその姿を消しました。リスボンの空には、南国に存在する種類の太陽が文字通りぎらぎらと浮かび、執拗に僕を照らし続けていました。それでも、驚くほどにあっさりとした湿度のおかげでその熱視線と快適さのギャップには心地よく戸惑うばかりでした。

滞在したリスボン、ポルトの町をとおして頻繁に目にしたのがこの「バルセロスの雄鶏」と呼ばれるニワトリの置物です。

情報収集に乏しい僕は、どうしてこのカラフルなニワトリがポルトガルを代表するお土産なのかは現時点でも分かっていませんが。

次回は、【第10話 ロンドンの石像】

コメント (1)

yeahkazu:

有名!有名!
バルセロスの雄鶏って本当にかわいらしいよね。
うちも両親が行った旅行お土産でキーホルダーもらいました。
今、どこにあるのかな・・・

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