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永遠なるもの

monsoon photo

この写真を撮った2ヶ月後に、2つ年上の姉は男の子を出産しました。

おそらく、いまこうしている時間も子供の世話をしているであろう姉の姿は
僕の母が孫にそうする姿とおどろくくらいそっくりで、
それを目にするにつれ、僕にもこうやって手をかけてくれたのだろうと思わずにはいられません。

いまの僕の年頃にはとっくに姉と僕を出産していた母親が
その時僕たちにしてくれた事や、それに伴って考えていた事といまの僕は
いったいどれだけ遠いところにいるのだろうか。

もし仮に僕が29歳のときの母親と会って話をする機会を与えられたとしても、
きっと何も共有するものを見つけられないまま別れの時間を迎えるのではないかと思います。

いい。まだ僕等はこの調子で。

という歌詞がとても好きで
それは角砂糖のように脆い自分の価値観を肯定する拠りどころにもなっていたのだけど、
少なくとも僕が「この調子で」よかった時期はそろそろ終わりに近づいているのだと思います。
あるいは、もうとっくに終わっているのかもしれない。

来るべき確信のために、僕ができる事は何なのだろうか。
そう思いながら写真行為を続ける日常は続きます。